統計科学研究会(Bulletin of Informatics and Cybernetics)

BIC article クラスファイルの使い方と注意
森 雅生 (平成12年9月29日)

Abstract:
このドキュメントは、 Bulletin of Informatics and Cybernetics投稿論文用LATEX 2e BICクラスファイル (bic-art.cls version 0.5a) の使い方が記載されています。LATEX 2eが必要であり、LATEX 2.09はサポートされていませんが、ほとんどの特徴は古いバージョンであるbic-art.styの内容を踏襲しています。

目次

はじめに

クラスファイルbic-art.clsは、Bulletin of Informatics and Cybernetics論文投稿用 LATEX 2e ドキュメントクラスファイルです。 BICは、著者がLATEX 2e形式で論文を投稿することを前提にしています。 LATEX 2.09以前のユーザは古いバージョンであるbic-art.styを使っていただくことになりますが、LATEX 2eを強くお勧め致します。

ファイルの入手

クラスファイルは以下から入手可能です。

クラスファイルbic-art.clsは、作業ディレクトリか $texmf/tex/latex/baseに置いてください。Windowsユーザはマイドキュメントフォルダより下の作業ディレクトリは、お勧めできません。ファイルを読めない可能性があります。

cmcscb10.mfは、編集作業をしているフォルダもしくは ディレクトリに置いてコンパイルを行なって下さい。著者名の姓名部分 に正しいフォントが使用されます。

特徴

クラスファイルの特徴を紹介します。ほとんどの機能は古いバージョンの bic-art.styを踏襲していますが、新しい機能および変更された機能はそれぞれ と で印を付けています。また、変更の無い機能は印がありません。

プリアンブル

論文のソースファイルは\documentclass[]{}コマンドではじめます。 bic-art.clsでは次のようにして文書を始めることになります。 reprintオプションを付けると別刷りの表紙が最初のページに出力されます。正確なページ数を計るため、文字の大きさは10ポイント、用紙の大きさは B5版で固定されていますので、12ptやa4paperなどのオプションを指定した場合は警告メッセージが表示されdviファイルは出力されません。 LATEX 2eのパッケージを使う場合は\usepackage[]{}コマンドを使ってパッケージを指定します。特にグラフィック(EPSなど)を埋め込む場合は graphicsパッケージが便利です。[Goossens,M., Mittelbach,F. and Samarin, A.]を参照してください。

\documentclass{bic-art}

または

\documentclass[reprint]{bic-art}
\usepackage[dvips,xdvi]{graphicx}

DVIファイルはtwosideページ形式のB5版で出力されます。その他の用紙はサポートしていません。適切なオプションでdvipsコマンドを使ってDVIファイルをPSファイルに変換することが出来ます。また、古い bic-art.styもLATEX 2eで使用することが出来ますが、いくつかのトラブルが報告されています。

プリアンブルにおいて、このクラスファイルは特に以下のコマンド、 \bictitle{}, \bicvol{}, bicno{}, \bicyear{} および \bic*author 群の指定をしなければなりません。

  • \bictitle{arg} は引数を一つ取ります。この引数には論文のタイ トルを指定します。タイトルは大文字に変換せれてreprintオプショ ンがついている場合は表紙のタイトルにも使用されます。
  • \bicvol{arg},\bicno{arg} および \bicyear{arg}は、それぞれBICの巻、号、 出版 年を指定します。初期値は'00'にセットされています。

著者指定には\bic*authorコマンド群が用意されています。表紙、タイトルページおよびヘッダに使用されます。名字にはSMALL CAPSフォントが使用され、ヘッダには名字のイニシャルが自動的に抽出されます。

  • \bicauthor[thanks]{firstname}{familyname} コマンドでは thanksオプションにより所属機関や連絡先などを指定できます。 \thanksコマンドは使わないようにしてください。
  • \bicfirstauthor[thanks]{firstname}{familyname} は 2人以上の共著者がいる場合使われるコマンドです。その他の著者は \bicsecondauthor[]{}{} \bicfifithauthor[]{}{} を使って指定できます。6人以上の共著者がいる場合はご相談ください。

thanksオプションではLATEX 2eの制限のため、いくつかのコマンドが使えないことがあります。

[注意] プリアンブルでの設定は、document環境内で\maketitleコマ ンドを呼び出すことにより出力されますのでご注意ください。

文章をはじめる

document環境内では、\bickeyword{} コマンドおよびabstract環境とtheorem環境群が用意されています。

  • \bickeyword{keywords} は、abstract環境内 で出力されるキーワードを指定するコマンドです。ただし、 abstract環境の前に宣言することが必要です。
  • abstract 環境はBIC用に変更されており、上の \bickeyword{keywords}コマンドがこの環境より前に宣言さ れていれば、キーワードをともなって出力されます。

Theorem環境群は、 theorem, proposition, lemma, collorary, definition, axiom,example および note環境が用意されています。定理番号は、番号を出力しないproof環境および remark環境以外は統一されています。\definethmコマンドによりBICの書式に従った新しい定理環境を定義できます。

  • \definethm[numbering]{name}{headline} 環境は3つの引数を取 ります。nameは環境名であり、headlineは出力される環境 タイトル(SMALL CAPSフォント)です。定理番号は numberingに従います。これについてはLATEX の本の\newtheoremコマンド と定理番号の項を参照してください([Lamport,L.])。

[注意] 定理環境内では、文頭に丸括弧および鈎括弧が置かれると正常に表示できません。以下の例に従って括弧{}で括ってください。

\begin{theorem} (Gauss)  % label is in bold font.
% should be
\begin{theorem} {(Gauss)}

次のバージョンではこのバグを改善する予定です。

謝辞acknowledge環境が用意されています。

  • acknowledgement環境は中央寄せした見出しとローマン体の謝辞 文が出力されます。

古いLATEX コマンド\BoxはLATEX 2eでは使えません。代わりに \qedコマンドを用意しています。

  • \qed は正方形の箱を出力し、テキストモードと数式モードのどち らでも使用可能です。

参考文献の節

参考文献の節ではthebibliography環境を変更してあります。これにともなって\bibitem[]{}{} and \cite{}も変更されています。一般にLATEX 2eで正常な参考文献の節を出力するには2回以上のコンパイルが必要です。詳しくは[Lamport,L.]を参照してください。

  • \bibitem[citation]{author}{year}{citestring} は4つの引数を取りま す。citationはオプションではなく引用のための名前ですので、必 ず指定します。citestringは引用コマンドが文書内で呼ばれたときに出力される 著者名になります。たとえば
\begin{thebibliography}{99}
\bibitem[Knuth]{Knuth,D.}{1970}{Knuth}
  \textit{The \TeX book}, ASCII corporation, Japanese.
\bibitem[GMS]{Goossens,M., Mittelbach,F. and Samarin,A.}{1994}{Goossens et al.}
  \textit{The \LaTeX companion}, Addison Wesley, Japanese.  
\end{thebibliography}

こうしておくと\cite{Knuth} や \cite{GMS} は、 Knuth(1970) や Goossens et al.(1994)のように出力されます。

  • \cite{citation} コマンドは引用を citestring(year)の形式で出力します。

注意

いくつかの注意点を述べます。LATEX 2eはTeX Directory Standard (TDS) に従ってインストールしてあるものとし、$texmfでトップディレクトリを表します。

フォルダとディレクトリ

クラスファイルbic-arc.clsは、作業用ディレクトリか $texmf/tex/latex/直下のディレクトリに置きます。Windowsユーザはマイドキュメント以下のフォルダでの作業はお勧めしません。ファイルを読み込めないことがあります。

グラフィックの埋め込み

論文に図を入れ込むことが出来ますが、LATEX 2eに付属する graphicsパッケージ[Carlisle,D.P. and Rahtz,S.P.Q.]をお勧めします。パッケージは \usepackageコマンドを使って読み込みます。例えば Encapsled PostScriptであるファイルfig-1.epsを読み込むには

\usapackage[dvips,xdvi]{graphicx} % In preamble
.....
\begin{center}
  \includegraphics[scale=0.5]{fig-1.eps}
  \label{fig:1}
\end{center}

他の書式のグラフィックも埋め込めますが、それに適したドライバファイルが必要であることに注意してください。

dvipskを用いたPostScriptへの変換

dvips(version 5.78 p1.4c)は現在b5版の用紙をサポートしていないため、 これを用いてPostScriptファイルに正しい変換をするには設定ファイル $texmf/dvips/config.psに次のような変更をする必要があります。

@ B5 182mm 257mm
@+ ! %%DocumentPaperSizes: B5
@+ %%BeginPaperSize: B5
@+ b5
@+ %%EndPaperSize

@ B4 257mm 364mm
@+ ! %%DocumentPaperSizes: B4
@+ %%BeginPaperSize: B4
@+ b4
@+ %%EndPaperSize

上の設定をファイルの最後に追加してください。UNIXによるdvipsコマンドを使用されている場合はオプションは次のように指定して変換を行います。

$ dvips -o output.ps -t b5 file.dvi
$ gs output.ps

gsコマンド(GhostScript)は変換したPostScriptファイルを表示します。

謝辞

このクラスファイルの完成まで忍耐強く待って頂いたBICの Editor-In-Chief である柳川 尭 先生に深く感謝致します。

Bibliography

  1. Lamport,L. LATEX: A Document Preparation System, 2nd edition, Pearson Education Japan, 1994.
  2. Knuth,D. The TEX book, ASCII corporation, Japanese, 1970.
  3. Goossens,M., Mittelbach,F. and Samarin, A. The LATEX companion, Addison Wesley, Japanese, 1994.
  4. Carlisle,D.P. and Rahtz,S.P.Q. The graphics package, LATEX2e standard bundle package, 1997.

添付ファイル: filebic-art.cls 3489件 [詳細] filemanual-jp.ps 1202件 [詳細] filemanual.ps 3389件 [詳細] fileexample.ps 5091件 [詳細] filemanual.pdf 3722件 [詳細] fileexample.dvi 3495件 [詳細] fileexample.tex 3648件 [詳細] filecmcscb10.mf 3337件 [詳細]

Last-modified: 2008-10-15 (水) 15:00:23 (3264d)